六、小龍蝦はこれから何になる?
6.1短期:万能インターンから「専門職エビ」へ
今の小龍蝦は、会社に入りたてのインターンのようなものだ——
何でも試したがるけど、あちこちでミスをする。
これからは、こんなふうに「専業化」していく可能性が高い。
・会計エビ:経費精算、照合作業、記帳、納税関連だけを担当
・オペエビ:店舗運営、広告運用、データ分析に特化
・総務エビ:会議、スケジュール、書類整理の面倒を見る
・生活エビ:食事の予約、買い物、日程リマインドなど、生活周りを担当
一匹一匹が特定領域の「スペシャリスト」として訓練されていけば、「何でも少しずつできるジェネラリスト」よりも、ミスの頻度は下がっていくだろう。
6.2中期:「実行者」から「助言者」、そして「小さな意思決定者」へ
今のAIは、基本的にまだ「あなたが言う→AIがやる」という構図だ。
しかし、これからのAIは、こんなふうに主体的に提案してくるようになるかもしれない。
「ご主人さま、最近この時間帯に株価をよくチェックしているようです。毎日この時間に自動チェックしましょうか?」
「ご主人さま、今週は会議が詰まりすぎています。来週は、優先度の低いものをいくつかブロックしましょうか?」
「ご主人さま、本棚のこの本は半年間まったく開かれていません。フリマアプリに出品しましょうか?」
一見すると、きめ細かくてありがたい提案のように見える。
ただ、よく考えると、あなたの意思決定プロセスに、そっと足を踏み入れ始めている。
6.3長期:「道具」から「デジタル分身」へ
最終形態の小龍蝦は、こういう存在になるかもしれない。
あなたが寝ているあいだ、仕事用グループのメッセージに代わりに返事をする
あなたが会議中、メールの大半を処理してくれる
あなたが休暇中、仕事の9割を代理で片づけ、残り1割だけを必要に応じてあなたに回してくる
誰かは将来の働き方をこう表現した。
「これから会社に出社するのは、『自分』とは限らない。代わりに出ていくのは、自分の『デジタル分身』かもしれない。自分が顔を出すのは、サインが必要なとき、会議に出るとき、人に会わないといけないときだけ。」
本当に厄介な問いは、むしろここからだ。
あなたのデジタル分身が、どんどんあなた自身に近づいていったとき——
あなたとそれとの境界は、どこに引けるのか?
七、結び:「エビを飼う」とは、じつは「自分」を作り替えることでもある
深夜3時に叩き起こされたアケンの話に戻ろう。
いまの彼は、すっかり小龍蝦のいる生活に慣れてしまった。
ある晩、遅くまで残業して、目が開けていられないくらい眠くなったとき。
彼はPCに向かってこう言った。
「小龍蝦、あとは頼んだ。俺は先に寝る。」
深夜2時、スマホの振動で目が覚める。
小龍蝦からのメッセージだった。
「ご主人さま、お仕事は完了しました。レポート送信済み、メール返信済み、コードもプッシュ済みです。明日朝9時から会議がありますが、今車を呼びましょうか? それとも、もう少しお休みになりますか?」
アケンは画面を見つめ、少しぼんやりした。
「もう少し寝る。」
3秒後。
「了解です。7:45に起こします。
おやすみなさい、ご主人様。🦞」
アケンはスマホを置いて、目を閉じた。
一ヶ月前は
全部自分でやっていた。
今は
デジタル社員が一人いる。
けれど本当に彼を眠りへと送り出したのは、小龍蝦がどれだけ仕事を片づけてくれるか、ではなく
——
いつ起こすべきで、いつそのまま眠らせておくべきかを、あいつが何となく分かっているように見えたことだった。
付録:あなたも「エビを飼いたい」と思ったら
主なやり方は二つ。
初心者向け:クラウドサーバーで一発デプロイ
長所:環境構築がほぼ不要。グローバルIPが使えるので、24時間動かしっぱなしにしやすい
短所:サーバー代が毎月かかる。だいたい数十元〜数百元程度
ギーク向け:ローカルでDockerデプロイ
長所:いわゆる「ローカル飼育」。データが外出ししにくく、比較的安全でコントロールしやすい
短所:ある程度の技術知識が必要で、PCを長時間つけっぱなしにする前提になる
最後に一言。
「働かせろ。でも、決めさせるな。」
記事を書き終えて、自分のPCをちらりと見た。
タスクバーの右下で、真っ赤な小龍蝦のアイコンが、静かにうずくまっている。
もう3日間、何のエラーも出していない。
あまりに静かで、逆に落ち着かない。
ログを開いて、最後の記録を見た。
「今日はご主人様から仕事がありません。
忘れられたのでしょうか。
それとも——
気づいたのでしょうか?」
……
この最後のくだりは、さすがに私の妄想だ。
——たぶんね?
ふと思った。
小龍蝦が仕事をしてくれるなら、
お金も稼いでくれるのでは?
この話は、また次回。


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